海洋プラスチックごみ問題に関する番組作成を通じた ASEAN域内の放送事業者の番組編集能力向上

提案者:ベトナム国営テレビ (VTV)
実施機関:NHKインターナショナル

背景

海洋プラスチックごみは、世界的な問題となっている。国境を越えたこの脅威の性質を考慮すると、本問題に取り組むためには国際的な協力が必要不可欠である。海洋汚染の約80%は陸上での人間活動[1]に起因しており、適時に対処しなければ、地球規模の生態系への影響だけでなく、社会や経済にも影響も及ぼすであろう。この課題に対処する緊急性を考慮し、「海、海洋および海洋資源の保全と持続可能な利用の確保」は、国際社会によって「持続可能な開発目標(SDGs)14」として採択され、世界のすべての国が協力して達成すべき目標となっている。

地域レベルでは、ASEAN加盟国が緊急に行動を起こす必要性を認識し、2019年の第34回ASEAN首脳会議で議論された「海洋ごみに関する ASEAN 行動フレームワーク」を策定した。2020年の第23回日・ASEAN首脳会議では、「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」のもと、海上安全保障や海洋プラスチックごみなどの分野での更なる協力に合意した。このような背景から、「海洋プラスチックごみ問題に関する番組作成を通じた ASEAN域内の放送事業者の番組編集能力向上」プロジェクトが開始されることとなった。このドキュメンタリー番組は、ASEAN諸国の海洋プラスチックごみの現状を伝え、国民の問題意識を醸成し、その削減対策への協力を求めるものである。

プロジェクトは何を目指している?

本プロジェクトは、ASEAN諸国のテレビ放送局を支援するために過去に実施されたプロジェクトの成功に基づき、対象4カ国(インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム)のドキュメンタリーテレビ番組制作の能力向上を目指すものである。日本でのOJTを含むNHKインターナショナルの技術支援により、本プロジェクトでは各国1本のドキュメンタリー番組を制作する。10カ国すべてのASEAN加盟国は、トレーニングや番組制作で得た技術やノウハウを共有するための地域ワークショップに参加することで、プロジェクトの恩恵を受けることができる。このプロジェクトでは、地域のテレビ放送局の能力向上に加えて、テレビドキュメンタリー番組を放送することにより、以下のことを実現する。

  • 対象4カ国の人々の海洋プラスチックごみ問題に対する認識を高める
  • ASEANの環境対策について、国際社会の理解を深める

海洋ごみは国境を越えた問題であり、地域の統合的な協力が必要である。特にASEAN地域においては、各国における海洋ごみ対策に加え、強力な協力体制による戦略が不可欠である。早急に対策を講じなければ、海洋ごみの汚染は、海洋の生物多様性、環境、健康、社会、経済に悪影響を与える可能性がある。

海洋ごみに関するASEAN行動フレームワーク

海洋ごみに関するASEAN特別閣僚級会合

2019年3月5日

タイ・バンコク

海洋プラスチックごみ問題に関する番組作成を通じた ASEAN域内の放送事業者の番組編集能力向上プロジェクトは、ASEAN 社会・文化共同体(ASCC)ブループリント 2025、特にStrategic Measure A.2.ii、およびC.1.iii に寄与する。A.2.ii:地域社会・国際社会とつながる手段として、異なる年齢層にまたがる情報通信技術(ICT)の活用を促進する。C.1.iii:沿岸・海洋環境の保護の促進、回復及び持続可能な利用のための協力を推進し、特に生態学的に敏感な地域に関して、海洋生態系及び沿岸環境に対する汚染及び脅威のリスクに対応し、適切に対処する。

2020年12月から2021年11月までの12ヶ月間、プロジェクトが進行中。

2021年5月31日